車の寿命・買い替え時はいつ?目安は?走行距離からも見てみよう
大きな資金を費やし、長く付き合うことになる車ですが、いつかは寿命がやってきます。
ただ、寿命と買い替えのタイミングが一致するとは限らず、しかもそのタイミングも目に見えて分かるようなものではない…というところが、車の難しいところ。
そこで、この記事では、そろそろ買い替えを検討しようという方だけでなく、将来そのタイミングが訪れるであろう車を持つ全ての方のためにも、買い替えのタイミングを考えるヒントをお伝えしていければと思います。
車の寿命の目安とは?
まずは、車の寿命について、少し考えてみましょう。
他にも基準となるものはあるかと思いますが、ここでは、減価償却の計算を利用する方法をご紹介します。
減価償却というのは、本来は、時間経過により価値が減少する固定資産の費用を計算していくための会計処理法です。
自営業、あるいは法人の経理や会計に関わっていない限りはあまり縁の無いものですが、今回の目的はあくまでも車の寿命の物差しとすることですので、かなり大雑把に計算できれば構いません。
減価償却の計算方法には定額法と定率法という2種類があり、今回は定率法の方を用います。
定“率”という名の通り、(実際の耐用年数とは関係なく)法的に定められている法定耐用年数により、決められた倍率を元に計算していくことになります。
この法定耐用年数は、新車の普通自動車の場合は6年で償却率は0.333、新車の軽自動車の場合4年で償却率は0.500となっています(なお、中古車は法定耐用年数、及び償却率が新車とはまた異なるのですが、今回の用途では無理に考慮する必要はないでしょう)
では、実際に計算してみましょう。
例えば、150万円で新車の軽自動車を買った場合、4年目までの減価償却の計算は以下の通りになります。
1年目:150万円×0.5=75万円
2年目:(150万円-75万円)×0.5=37万5000円
3年目:(150万円-75万円-37万5000円)×0.5=18万7500円
4年目:(150万円-75万円-37万5000円-18万7500円)×0.5=9万3750円
ここで、本来であれば、法定耐用年数経過後の計算はまた異なる方法になっていくのですが、車の寿命の目安とするのであればそのまま同じように計算していっていいかと思います。
このように計算していき、大まかにも金額が算出できたら、あとは車検代や自動車税、修理代など、自動車にかかる総合的なコストと天秤にかけていきましょう。
もし、算出した金額に比べて、コストが大きく上回りそうなのであれば…買い替えのタイミングが訪れているのかもしれません。
買い替え時は、「買い取り時」とも考えられる
また、現在ご自身が所有している車を手放すという選択肢も考えてみましょう。
車を買い換えようとする時、すでに廃車扱いになっている、あるいは譲渡先が決まっているなど、特別な理由が無い限りは、現在持っている車を売りに出した上で買い替えるという方が多いのではないでしょうか。
車の買い取りというのは、買取業者の選択はもちろんのこと、意外とタイミングが重要です。
新たに車を買う際の資金の足しにするにせよ、他の用途に使ったり貯金したりするにせよ、何も考えずに売ってしまうと、思ったよりもお金が入らず、予定が狂って困ってしまう…といった事態に陥ることもあります。
であれば、「買い替え時は買い取り時」とも考えられるのではないでしょうか。
買い取り時=買い替え時と考えた場合、目安となるものは何でしょう?
一例としては、走行距離が挙げられます。
実は、走行距離と車を売る際の価格には、密接な関係があるのです。
走行距離と買い替え時の関係
では、走行距離と車の売却価格にどんな関係があるのか、見ていきましょう。
株式会社ウェブクルーが、車買取サービス利用者3000人に行ったアンケート調査「コストパフォーマンスがいい車の買い替えタイミングはいつ?」によると、軽自動車と普通自動車でそれぞれ結果が出ています。
こちらを見てみると、普通自動車の場合、走行距離が5万kmを超えると、特に大きく売却価格が下がる傾向にあることがお分かりでしょう。
走行距離が2万5001kmから5万kmの平均売却価格と、5万1kmから7万5000kmまでの平均売却価格では、およそ43万円もの差があります。
軽自動車は、普通自動車ほど顕著な変化は見られませんが、同じ条件での平均売却価格の差は約13万4000円であり、やはりこちらも大きな差が見られますね。
結論としては、普通自動車も軽自動車も、走行距離5万kmが売るタイミングの目安になると考えてよさそうです。
特に普通自動車はかなり売却価格に差がありますので、車を買い替えたいとなった際、所有している普通自動車の走行距離が5万kmに迫っている場合は、慎重に考えるようにしましょう。
なお、どちらも、走行距離10万kmを超えてからはあまり売却価格が変動しないようですので、すでに10万kmを超えた距離を走っている車を売るのであれば、タイミングに関してはあまり神経質になる必要はないのかもしれません。
ここまで、車の寿命と、買い替え時についてお話ししてきましたが、最後に重要なポイントを。
今回ご紹介した内容は、あくまでも数値的なデータに基づいてお話ししているに過ぎません。
実際には、どんな乗り方をしているのか、どのくらいの頻度でどんなメンテナンスをしているのか…など、様々な条件によって、どうしても買い替えのタイミングというのは変わってきてしまいます。
当記事の内容も鵜呑みにはせず、最終的な判断は、ご自身の愛車の状態をよくチェックした上で行ってくださいね。