自転車で通勤中の事故・・・労災として認定される?

Workers accident

自転車・徒歩・電車・自動車に限らず、通勤中の事故は他人事ではありません。
通勤中に事故に遭った場合、基本的には労災が適用されます。
しかし、場合によっては労災が適用されないこともあるので注意が必要です。

今回はそもそも労災とはどういうものなのかと、労災が適用される場合・適用されない場合を解説します。

そもそも労災とは何か?

何かと耳にすることも多い「労災」ですが、そもそも労災とはどのようなものなのでしょうか。
労災は、簡単に言うと「仕事が原因で怪我や病気になった時、国から保険金の給付を受け取れる制度」です。

その対象者は、愛媛労働局のホームページから引用します。

原則として、常用、日雇、パート、アルバイト等、名称及び雇用形態にかかわらず、労働の対価として賃金を受けるすべての労働者が対象となります。

正社員、非正規社員に関わらず、労災保険の適用事業所で働いている人なら誰でも労災を受けることができるのですね。
仮に労災を受けることになった場合は、労働者による申請が必要です。

では、どのような時に労災を申請することができるのでしょうか。
労災が申請できるのは次のような場合です。

・仕事中にケガをした
・過労が原因で体を壊したりうつ病になったりした
・仕事中に触れた有害物質が原因で病気になった
・通勤途中に事故に遭った
これらの場合は基本的に労災として認められます。

また、ハフィントンポストの「「心の病」で労災認定、過去最多の498人 請求が多い業種は?」という記事によると、過労が原因で心を病んでしまった人も2016年度は498人に上るなど増加の一途をたどっています。

労災は、決して他人事ではないのです。
労災を申請して認められると、次のものが受け取れます。

・治療費
・仕事を休んでいる間の給与
・大きなケガへの給付
・介護費用
・後遺症への給付
・遺族への給付
・葬儀の費用
・子どもの学費

労災が起きないことが一番ですが、起きてしまったときのために労災の基本を知っておくことは重要です。
次の項目では、労災が申請できるケースの中から、特に「通勤中の事故」に関して簡単に解説します。

通勤中の事故=すべて労災というわけではない

通勤中の事故は、基本的に労災として扱われますが、場合によっては労災と認められない場合もあります。
例えば、通勤中に寄り道をして、その途中で事故に遭った場合は労災と認められない可能性が高いです。

また、会社からその手段での通勤を禁止されているにもかかわらず、禁止された手段通勤して事故に遭った場合も労災と認められない可能性が高いでしょう。

具体的に言うと
・通勤途中に買い物をして、その帰り道で事故に遭った場合
・自転車通勤が禁止されているのに、自転車で通勤して事故に遭った場合
は労災を認められない可能性が高くなります。

基本的に「会社が決めた方法で、寄り道をせずに通勤していた場合に遭った事故」のみ労災と認められると覚えておいてください。

どうしても自転車通勤したい場合は保険に加入を

自転車に限らず、通勤中は事故がいつ起きてもおかしくありません。
労災の範囲外になるのはわかっていても、どうしても自転車で通勤したい場合は、任意の自転車保険などに加入しておきましょう。
また、通勤中に寄り道をすることが多い人も、任意保険に加入しておいた方が安心です。

最近は自転車と車の事故以外にも、自転車と歩行者の事故も増えてきています。
中には歩行者が死亡するケースもあるので、通勤の際は安全運転を心がけ、時間と心に余裕をもって通勤するようにしてください。

参考サイト:J-Net21「法律コラム」

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